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フローリングと羽目板の違いとは?住宅用板材の特徴を解説

板・構造について 2024.10.1

無垢材を施したお部屋は、木の香りと温かみを感じられる上質な空間になります。また、天然木の持つ調湿機能により、室内を快適な環境に保つことも可能です。

住宅に無垢材を取り入れるとき、フローリング羽目板(はめいた)を使用するのが一般的です。いずれも同じ板材ですが、どのような点に違いがあるのでしょうか。

このコラムでは、一見似ているフローリングと羽目板の違いや選ぶ際の注意点などについて紹介します。

羽目板とは?

壁に羽目板を施したナチュラルモダンなリビング|北欧の森

主に壁や天井に板張りで施工するのに使う、木製の板材のことを羽目板といいます。腰壁を仕上げるために使われることも多い板材です。

住宅の壁・天井は白い壁紙で仕上げるケースが標準的ですが、羽目板をアクセントに使用すると、デザイン性が高く上質な内装に仕上げられます。

また、耐水性や耐久性の高いものであれば、軒の裏の天井仕上げ(軒天:のきてん)や外壁材など野外の仕上げ材として使用できる場合もあります。

フローリングとは?

木目や色の異なるフローリングのサンプル|北欧の森

羽目板が壁や天井に使う板材なのに対し、フローリングは床の仕上げ材として使用されるものを指します。

フローリングは大きく「無垢フローリング」と「複合フローリング」の2種類。無垢フローリングは木から切り出した一枚板を使用したもので、単層フローリングとも呼ばれます。

一方、薄い板を張り合わせた集成材や合板の表面に、薄く切った天然木や化粧シートを張ってあるのが複合フローリングです。

複合フローリングについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
【コラム】複合フローリングはどんな床材?メリットとデメリットは

3つの点からみるフローリングと羽目板の違い

ヘリンボーンの無垢フローリングと天井の羽目板が印象的なジャパンディスタイルのリビング|北欧の森

木質の板材という共通点があるフローリングと羽目板ですが、次に挙げる3つの違いがあります。

(1)用途と厚さ

フローリングは床の仕上げに使われる板材のため、人が上を歩いても耐えられるだけの厚さで作られているのが特徴です。

これに対し、主に壁や天井などの仕上げに使われる羽目板は施工のしやすさが重視されます。そのため、フローリングに比べて薄めのものが一般的です。

(2)主に使われる樹種

フローリングと羽目板は用途が異なるため、使われる樹種にも違いがあります。主に使われる樹種をまとめると次のとおりです。

主に使われる樹種
フローリングレッドパイン、スプルース、シラカバ、オーク、チェスナット、
チーク、ウォールナット、スギ、ヒノキ など
羽目板レッドパイン、レッドシダー、スプルース、アスペン、オーク、
マホガニー、スギ、ヒノキ など

また、羽目板はほとんどが無垢材なのに対し、フローリングは複合材(複合フローリング)が主流という違いもあります。

北欧の森では、高機能なラミネートフロア「イノヴァーフロア」も取り扱っています。施工性やメンテナンス性の高いフローリングをお探しなら、ぜひご検討ください。

(3)加工の形状

フローリングは、歩行の安定性や掃除のしやすさといった実用性が重視されやすいのに対し、羽目板はデザイン性が重んじられる傾向にあります。

そのため、フローリングは溝が少なめ、羽目板はデザイン性を高める目的で溝をしっかりつけるケースが多いというのも違いです。両者の加工形状の違いは、次章で詳しく解説します。

加えて、フローリングは上下の短辺にも実(さね)がある「エンドマッチ」加工を基本とする一方、羽目板は左右の長い辺のみに実加工を行うという違いも見られます。

羽目板とフローリングの形状の種類

フローリング・羽目板の実加工および木目のアップ|北欧の森

加工形状に関しても、フローリングと羽目板では違いがあります。実(さね)加工、溝加工の種類の違いを見ていきましょう。

実(さね)加工の種類

板材の側面に施された凹凸のことを実(さね)と呼びます。凹んでいる側の実を「雌実(めざね)」、出っ張っている側の実を「雄実(おざね)」といい、雄実を雌実に差し込むことで板材同士を組み合わせます。

フローリングの実加工で主に用いられるのは「突き付け加工」です。板材同士がぴったり合わさったように見える加工法で、隙間が少ないためにホコリやゴミが溜まりにくく、実用性が求められる床材に適しています。

羽目板で主に用いられるのは「目透かし加工」です。雄実を広くすることで板材の継ぎ目にくっきりと溝ができる加工法で、デザイン性を高めることができます。

溝加工の種類

羽目板とフローリングでは、板材の継ぎ目にできる溝の加工にも違いがあります。

フローリングは、板材の角を細く削り落とす「糸面加工」で仕上げるのが一般的です。板材を並べたときに溝が目立たなくなるため、掃除しやすい床になります。

一方の羽目板は、板材の溝に沿った部分を曲線に削る「R溝加工」や斜めにカットする「V溝加工」が主流です。目透かし加工と合わせることで、R溝加工は柔らかみのあるデザイン、V溝加工はスタイリッシュなデザインに仕上がります。

フローリングと羽目板を選ぶときの注意点

フローリング・羽目板のサンプルが並ぶ板材販売店のイメージ|北欧の森

板材選びの際は、次に挙げる2つの注意点を意識し、施工する場所にあったものを選ぶようにしましょう。

羽目板を床材として使うときは実加工の種類に注意する

先ほど紹介したように、樹種によってはフローリング・羽目板両方に適している場合もあり、羽目板を床材として使用できるケースがあります。

ただし、標準的な目透かし加工の羽目板は広めの溝ができるため、転倒リスクや掃除の手間といった観点から、フローリングとしての使用は避けたほうがよいでしょう。床材として使うなら、隙間がほとんどない糸面加工の羽目板を選ぶのが得策です。

「北欧レッドパイン羽目板 糸面加工」は、羽目板でありながら床材としても使えます。長尺ならではのありのままの美しさをぜひフローリングにも。

フローリングを壁や天井に使うのはおすすめできない

反対にフローリングを壁や天井に使うのも問題ないように感じますが、溝がほとんどないため、インテリアのアクセントとして使用するにはデザイン性に欠けます。また、フローリングは羽目板よりも重さがあって施工しづらいのもネックです。

こうしたことから、フローリングを羽目板代わりに使うのは推奨できません。

使う場所やイメージに合った板材で上質な空間を

床の仕上げに使われるフローリングと、主に壁や天井を仕上げるのに使われる羽目板。同じ木質の板材でも、用途に応じて異なる加工が施されています。それぞれの用途で魅力が最大限発揮できるよう、工夫をこらしているのです。

部屋に無垢の木を取り入れる際は、今回紹介した2つの板材の違いを理解し、使う場所や目指すイメージに合ったアイテムを選ぶようにしましょう。