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見切り材とは?壁見切り材の役割、巾木、廻り縁なども解説

壁材について 2024.9.17

壁のDIYにチャレンジする際、壁材に合わせた「見切り材」を使用することできれいに仕上げられます。

このコラムではDIY初心者の方へ向けて、壁リフォームで使用する見切り材が果たす3つの役割を紹介します。巾木(幅木)、廻り縁など、壁見切り材の種類と特徴も解説するので、DIYを実践する前にぜひご一読ください。

見切り材とは?

男性が建材に合わせる見切り材を選ぶ様子|北欧の森

そもそも「見切り材」とはどのような建材のことをいうのでしょうか。由来についても併せて紹介します。

仕上げ材の切り替え部に施す見切り材

見切り材とは、フローリングや壁材などの建材が切り替わる部分を収めるために使用する化粧材のことです。

フローリングの切り替え部や端部に使用する「床見切り材」、壁材や床・天井と壁の切り替え部に使用する「壁見切り材」、階段の段差部分に取り付ける滑り止めなどの「階段見切り材」があります。今回は、このうちの「壁見切り材」に焦点を当てて解説していきます。

見切り材にはさまざまな素材が用いられますが、住宅で主に使用されるのは木製や樹脂製の見切り材です。ほかにステンレスや真鍮で作られたアイテムもあります。

仕事の終わりを意味する見切り

名前の由来についても紹介します。「見切り」とは、もともと仕事の終わりや終わった部分の仕上がり具合を指す言葉です。そこから転じて、建材の切り替え部を機能的かつ美しく仕上げるための化粧材を「見切り材」と呼ぶようになった、とされています。

建築工事では、床・壁・天井を異なる職人が異なる時期に施工するのが一般的です。自分が担当する箇所の工事が終わると、次の箇所を施工する職人が作業しやすいよう、部材の境目に小さな隙間を設けておきます。見切り材でこの小さな隙間を埋めることにより、連続した一つの空間として完成するのです。

壁見切り材が果たす3つの役割

ホワイト系のフローリングと白い壁の接合部に白い巾木を取り付ける人|北欧の森

見切り材のうち、壁見切り材は3つの役割を果たします。

(1)壁材や床材が剥がれてしまうのを防ぐ

壁材や床材の端部や角を補強せずにそのまま放置すると、そこから建材が剥がれたり浮いたりしてしまうことがあります。生じた傷や浮きをきっかけにして劣化が進んでしまうおそれもあるため、端部や角を正しく処理することが重要です。

こうしたポイントを保護する役割を果たすのが壁見切り材であり、取り付けることで美しい内装をより長く保つことができます。

(2)異なる部材同士の段差を解消してゆるやかにつなぐ

壁紙の切り替え部、窓やドアと壁の接合部など、使用する建材が変われば厚さも変わるため、壁に段差が生まれてしまいます。壁見切り材を切り替え部に設置するとこうした段差を解消することができ、つなぎ目を滑らかに仕上げることができます。

腰壁に羽目板を使用するなど、壁材を既存のものと違うものに切り替えるときには、見切り材が見た目の唐突感を和らげる役割も果たすでしょう。

(3)内装のデザイン性を高める

見切り材を内装のアクセントとして使えば、シンプルな内装に変化が生まれ、デザイン性を高めることができます。

欧米の建築では、日本以上に壁見切り材(モールディング)を重視する傾向にあり、装飾にこだわった見切り材を使うことも少なくありません。見切り材そのものは幅数cmと小さいですが、部屋を取り囲むように施すケースが多いため、空間の印象を大きく変えられます。

白い壁・天井にナチュラルなフローリングといったシンプルな内装に変化が欲しいなら、異なる素材の見切り材を取り入れるのもおすすめです。

壁見切り材の種類と特徴

ホワイト系のフローリングと白い壁の間に設置された装飾性のある白い巾木|北欧の森

壁見切り材と一口に言っても、設置する場所によって名称や特徴が異なります。ここでは4種類の壁見切り材について見ていきましょう。

巾木(はばき)

壁と床の接合部(壁の下端)に設置し、壁材と床材の間にある隙間を埋めるための見切り材です。傷や汚れのつきやすい壁紙の下端部を保護する役割を果たします。

加えて、隙間を埋めるとエネルギーを周囲に逃すことができるため、地震による揺れなどの緩衝材としても機能します。

廻り縁(まわりぶち)

壁と天井の接合部(壁の上端)に設置し、壁材と天井材の間を埋める役割を果たす見切り材です。壁の両端に見切り材を設置する場合、下の巾木と上の廻り縁で壁面をはさむような形になります。

和室では必ずと言っていいほど設置される廻り縁ですが、洋室に関してはデザインの納まり上、設置しないケースも多くなっています。

額縁(窓枠・ドア枠)

窓やドアの周囲に設置する見切り材で、絵画などを飾る額縁のように見えることからこのように呼ばれます。窓枠やドア枠と呼ばれるものも同じです。額縁は必ず設置しなければならないわけではなく、額縁なしで壁紙をそのまま窓側に巻き込むように仕上げるケースもあります。

見切り材を使用することでサッシの金属感を和らげ、ナチュラルで重厚感のある空間に仕上げられるのが魅力です。

腰見切り(チェアレール)

腰壁に羽目板などを施工するとき、腰壁部分と上部の壁紙部分のつなぎ目に設置する見切り材です。上から手すりを取り付けて安全性を確保したり、装飾性を持たせたりする場合もあります。海外では「チェアレール」と呼ばれる、美しい装飾を施した腰見切りもよく見られます。

腰見切りの質感や色合いは、腰壁部分の素材感に合わせるのが一般的です。

壁リフォームをDIYするなら壁見切り材にもこだわりを

見切り材は、フローリングや壁材の切り替え部をきれいに収め、剥がれや傷から保護する大切な役割を果たします。また、シンプルな内装のアクセントとして使えば見た目に変化が生まれ、空間が引き締まるでしょう。

DIYで壁リフォームにチャレンジする際は、部屋の雰囲気や場所に合った見切り材を選ぶのがおすすめです。