日本にはどんな木が生えている?多く植えられているのはどんな木?
木の現在 2023.10.5
外へ出て、周りを見渡すと目に入ってくる山々。
当たり前に目にしている風景ですが「どんな木が生えているんだろう?」と、ふと、疑問に思ったことはありませんか?
実は日本に生えている木の約半数は、人工的に植えられた木です。
今回のコラムでは「日本に生えている木」について、お伝えしていきます。
日本の代表的な木にはどんな品種がある?

みなさんもご存じのように、日本にはさまざまな木が生えています。
まずは日本で代表的な木の品種を、針葉樹と広葉樹に分けてみていきましょう。
日本に生えている針葉樹
1枚1枚の葉が細長く、まっすぐと高く生えた三角形のシルエットをしているのが針葉樹です。日本に生えている針葉樹には、次のような品種があります。
日本に生えている天然林の約20%が針葉樹だといわれています。
針葉樹は軽くて柔らかく、材木としての汎用性が高いため、日本に植えられている人工林の約97%を針葉樹が占めています。
日本に生えている広葉樹
平べったい葉を付け、丸みを帯びたシルエットをしているのは広葉樹です。
日本にはさまざまな広葉樹が生えていますが、そのなかでも代表的な品種をみてみましょう。
日本に生えている天然林の約80%、つまりほとんどが広葉樹です。
しかし天然林と人工林を合わせると、針葉樹と広葉樹の割合は半分ずつになっています。
日本は世界で2番目に森林率が高い国

新型コロナウイルスの蔓延やウクライナ情勢などが重なり、2021年は「ウッドショック」によって深刻な木材不足に陥り、木材価格が高騰。これにより、日本が輸入木材に頼っている現状が浮き彫りになりました。しかし、日本は世界で2番目に森林率が高い国なのです。
日本の森林率は67%
日本には山や森が多いイメージがありますが、イメージ通り、日本の国土の約67%、つまり2/3が森林です。これに対して世界の森林率の平均は約31%なので、日本の森林率がいかに高いかがわかります。
そして日本の森林率は、森林率世界第1位のフィンランド(約74%)に次いで、世界第2位です。
日本は世界でも有数の森林国なのです。
日本に生えている木の割合
スギ、マツ、サクラ、モミジ・・・
私たちは生活のなかで、さまざまな木を目にします。
さまざまな品種の木を見かけるので「割合はバラバラなんだろうな」と思うかもしれません。しかし日本に生えている人工林の約44%がスギ、約25%がヒノキです。
色々な木が生えているように感じますが、実はとても偏っているのです。
スギとヒノキに偏っている理由は、後ほどお伝えします。
地域によって森林率は異なる
日本全体でみると森林率67%ですが、地域によって森林率は大きく異なり、森林率が高い地域もあれば、低い地域もあります。
森林率が高い都道府県と、低い都道府県をそれぞれみてみましょう。
【森林率が高い都道府県】
- 高知県(83.8%)
- 岐阜県(81.2%)
- 長野県(78.8%)
【森林率が少ない都道府県】
- 大阪府(30.0%)
- 東京都(36.0%)
- 神奈川県(39.2%)
参考:林野庁「都道府県別森林率・人工林率(平成29年3月31日現在)」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/genkyou/h29/1.html
当然のことながら、国土面積が広い地域ほど森林率が高く、国土面積が狭い都心部ほど森林率が低くなっています。
そして森林率は上位には上がりませんでしたが、日本で最も森林面積が大きい地域は北海道(554万ha)です。国土面積も大きいため森林率は70.6%になっていますが、日本の森林面積の約22%を北海道が占めています。
日本にスギとヒノキが多い理由と花粉症問題

前章で日本の人工林の約44%がスギ、約25%がヒノキだとお伝えしました。
なぜ日本にはスギとヒノキが多いのか、疑問に思いますよね。
日本にスギとヒノキが多い理由
日本にスギとヒノキが多いのは、スギとヒノキの加工しやすさが理由です。
戦時中には木材が多く使われ、戦後や高度経済成長期には木造住宅が多く建てられました。これにより材木を増やすことを目的として、丈夫で加工性の高いスギとヒノキがたくさん植えられたのです。
日本が行っている花粉症対策
日本では花粉症患者が年々増加し、日本人の約38%がスギ花粉に悩まされています。
花粉症患者が増え、問題視されるようになったことで、林野庁では平成3年から少花粉や無花粉のスギを開発。現時点では少花粉スギ142品種、無花粉スギ3品種が開発されました。
苗木生産も加速化させており、人工林に植えるスギ苗木の約7割を少花粉・無花粉スギにすることを目標としています。
森林大国日本で多くの割合を占めるのはスギとヒノキ
日本国土の約2/3が森林になっており、そのなかでも多くの割合を占めるのがスギとマツです。森林面積に占めるスギの割合を知ると、スギ花粉で悩まされる方が多いのも納得できますよね。
しかし花粉症対策のために国も動いているので、計画が順調に進めば数十年後には花粉症に悩まされない時代がくるのかもしれません。
今回知った木に関する知識をぜひ、友人や会社の方たちとの話題にしてみてくださいね。
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