「スプルース」はどんな品種?特徴を解説
樹種について 2024.1.29
建材や床材、家具などを選ぶときに「スプルース」という種類を見かけたことはありませんか?あまり聞きなじみのない名前なので、どんな特徴がある建材なのだろうかと気になった方も多いと思います。
そこで今回のコラムでは、スプルースの特徴をお伝えしていきます。
建材選びに役立ちますので、ぜひ最後までご覧になってください。
スプルースはどんな木?

スプルースについて説明する前に、まずお伝えしたいのが呼び名です。
「スプルース」は媒体によっては「スプルス」と呼ばれることもありますが、どちらも同じものを指します。ほかにもさまざまな呼び名があるため、もう少し詳しく説明します。
スプルースはマツ科の木
スプルースはマツ科トウヒ属の針葉樹で、和名は「米唐檜(べいとうひ)」です。
先ほどスプルスとも呼ばれるとお伝えしましたが、白く明るい見た目や使い方から「アラスカヒノキ」「ホワイトウッド」「SPF材」と呼ばれることもあります。その場に応じてさまざまな呼び名があるのも、スプルースの特徴のひとつです。
建材としての価格帯は高すぎず、性能に対してコストバランスが良いことから、国内外でさまざまな使い方をされています。
たとえば、日本のホームセンターやDIY専門店などで販売されているのは、すぐに使えるようカットされたものです。しかしアメリカでは、壁や床などの“面”で建物を支える「2×4(ツーバイフォー)工法」に使用する「2×材(ツーバイ材)」として、規格サイズで販売されています。
マツなのにヒノキと呼ばれる理由
スプルースは和名に「檜(ひのき)」の漢字が使われているので、ヒノキの一種と勘違いされることがしばしばあります。しかし先ほどもお伝えしたように、マツ科の品種です。
日本がスプルース材を輸入しはじめたころに、檜と色味が似ていたことから米唐檜と呼ばれるようになりました。少し混乱してしまいそうですが、品種は檜ではなく「マツ」であると覚えておきましょう。
スプルースの特徴

前章ではスプルースの品種や名前の由来などをお伝えしたので、ここからはさらに詳しく説明していきます。メリットと言える特徴もあれば、デメリットにもなり得る特徴もあるので、しっかりと目を通してみてください。
加工性に優れている
軽量で弾力性があるスプルースは、加工性に優れています。昭和30年頃に輸入されるようになってから、障子やドア、内装建材などの加工が必要な部分に使われてきました。
建材のほかには、音響性の良さが活かせるピアノやギターなどの楽器類にも使われており、世界一高級なバイオリンとして名高いストラディバリウスも、トップ材にスプルースが使用されています。
見た目が美しい
スプルースは、明るく白色に近い色合いや、小さい節が特徴です。住宅に取り入れれば、上品で清潔感のある空間を演出できます。近年人気の、北欧風やナチュラル、シンプルテイストの住宅とも相性抜群です。
耐久性が低く害虫にも弱い
スプルースを選ぶときに注意したいのが、耐久性の低さです。柔らかく加工しやすいことは、ときにデメリットにもなり得ます。
頑丈さが問われる柱には不向きだったり、柔らかさから毛羽立ちやささくれができやすかったり、使用できる場所が限られます。
さらにマツ科の一種であることから、シロアリ被害を受けやすい点にも注意が必要です。欧州では、唐檜(とうひ)を好むトウヒキクイムシによる被害が深刻化しており、輸入が減少するなど木材市場に大きな影響を与えています。
塗料やニスによる防虫処理を施せばある程度の害虫被害は防げますが、それでも木そのものの性質は変わりません。耐久性が低く、害虫被害を受けやすいという点もふまえて、どの部分にスプルースを使用するのか検討してみてください。
スプルースの特徴を知って、取り入れる場所の検討を
白く明るい見た目のスプルースは、床材や羽目板などで人気の建材です。しかし耐久性が低く害虫に弱いというデメリットがあるため、柱などの構造材には不向きです。
床材や羽目板としての使用は問題ありませんが、心配な方は、住宅会社やメーカーと相談しながら使う場所を考えましょう。
『北欧の森』が取り扱っている商品詳細や実例は商品ページに掲載しておりますので、ぜひご覧になってください。
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