住宅に発生する化学物質とは?人体に与える影響と対策
住まい・建築について 2024.1.12
住宅会社の見学時に「弊社の家は化学物質が少なく、健康的に暮らせます」と説明されたり、のぼりを見たりしたことはありませんか?
そもそも化学物質はどんなもので、人体にどのような影響があるのでしょうか。
今回のコラムで学んでいきましょう。
住宅における「化学物質」とは?
![瓶に詰められた薬剤 化学物質 VOC 北欧の森](https://gigaplus.makeshop.jp/hokuonomori/img/contents/kagakubushitsu_1.jpg)
「化学物質」と聞くと、人工的に作られたものというイメージを抱くかもしれませんが、科学的には“元素と元素が結びついたもの”を指します。
たとえばナトリウム(Na)とナトリウム(Cl)からできた塩(NaCl)も、人工的に作られたプラスチック製品や住宅に使われる接着剤なども厳密には化学物質の一種です。すべての種類が悪いわけではなく人に無害なものも多くあり、近年住宅業界で問題視されているのは、人体に害を与える恐れのあるものです。
住宅に発生しやすい化学物質の種類
住宅に発生しやすいのは、
- ホルムアルデヒド
- トルエン
- キシレン
- エチルベンゼン
- スチレン
などで、外壁塗料や接着剤の溶剤のように、家を建てるときに使われる建材に含まれています。これらは「VOC(揮発性有機化合物)」と呼ばれ、約200種類もあります。
VOCのなかでもとくに問題視されているのが、ホルムアルデヒドです。防菌や防虫剤などに使用される毒性が強い化学物質で、天井や壁に貼る壁紙の接着剤や、合板の接着剤・塗料・防腐剤に含まれています。
住宅建材や家具を選ぶときに「F☆☆☆☆」や「F☆☆☆」の文字を見かけたことがある方も多いと思いますが、これはホルムアルデヒドの発散濃度を示した基準です。星の数が多いほど発散量が少なく、安心して使える建材と評価されています。
安全等級が建材選びの指標になるほど、ホルムアルデヒドの放散量は問題視されているのです。
化学物質が人体に与える影響
化学物質が問題視されるのは、それらが人体へ悪影響を及ぼすからです。
鼻水や頭痛、吐き気などの症状が出る「シックハウス症候群」や、身体や精神にさまざまな影響を及ぼす「化学物質過敏症」などは、先ほど挙げたVOCが原因で発症します。
これらの疾患はVOCを少しずつ吸引し続けることで、身体が受容できる範囲を超えたときに症状が出始めるのが特徴です。そのため在宅時間が長い主婦や、子どもの発症が多いといわれています。
アレルギー疾患と同じで一度発症してしまうと完治は困難なため、発症しないための予防が重要です。
住宅でできるシックハウス症候群対策
![窓を開けて換気する様子 北欧の森](https://gigaplus.makeshop.jp/hokuonomori/img/contents/kagakubushitsu_2.jpg)
先ほどもお伝えしたように、シックハウス症候群や化学物質過敏症は発症予防が重要です。最後に、住宅でできる対策を見ておきましょう。
空気が入れ替わるようしっかりと換気する
住宅にあるVOCが原因で起こる疾患は、汚染された空気を吸い続けることが原因なので、対策には室内換気が有効です。
2時間に1度の間隔で、2か所以上の窓を開けて5分程度換気を行いましょう。共働きなどで日中家を留守にする場合は、帰宅したらすぐに換気をしてください。
第1種換気システムを導入する
シックハウス症候群の予防策として、2003年7月以降はすべての建造物に「24時間換気システム」の設置が義務付けられました。
換気システムには、
- 給排気のどちらも機械で行う「第1種換気」
- 給気は機械で、排気は自然に行う「第2種換気」
- 給気は自然に、排気は機械で行う「第3種換気」
の3種類があります。
シックハウス症候群への対策として効果的なのは、第1種換気システムです。設置費用は3種類のなかで最も高くなりますが、室内の空気を確実に循環・換気することができます。
室内の空気を逃がしにくい高気密高断熱住宅を建てるのなら、第1種換気システムの導入を検討してみてください。
建材や家具に自然素材を選ぶ
人に害を与えるVOCは建材の接着剤や溶剤などに含まれているので、自然素材を選べばシックハウス症候群を予防することができます。
自然素材のなかで、最も代表的なのが無垢材です。無垢フローリングや無垢の羽目板などは接着剤が使われておらず、VOCを一切含まないので安心して住宅に取り入れられます。無垢材にはほかにもさまざまな効果がありますので、ぜひこちらのコラムもご覧ください。
【コラム】リラックス効果だけじゃない!木の香りが人にもたらす5つの効果
また、壁材として古くから使われている珪藻土や漆喰なども、VOCを含まない、安心して使える建築材料です。「自然素材の家」が近年注目されているのは、心地よいという理由だけではなく、健康的に暮らせるという安心感によるものが大きいと言えます。
化学物質を予防して、健康に暮らせる住まいを
VOCが原因で発症するシックハウス症候群や化学物質過敏症は、一度発症してしまうと完治は困難です。あまりにも症状が重い場合は、せっかく手に入れたマイホームを手放すことになるかもしれません。
けれどこれらの疾患は、換気を小まめにしたり、自然素材を取り入れたりすることで防ぐことができます。今回紹介した予防策を頭に入れて、ぜひ家づくりに役立ててください。
北欧の森では無垢フローリングや羽目板、ロフトはしごなどの自然素材でできた商品を取り扱っています。安心して使えるだけではなく、素材を活かした心地よさもありますので、ぜひサンプルやショールームで実物をご覧になってくださいね。
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