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木材に表裏があるって本当?木表と木裏の見分け方と特徴

木材の知識 2024.5.31

木材には表裏があることをご存じですか?
それぞれ肌ざわりや見た目、反り方が異なるため、施工場所や用途によって表裏が使い分けられています。

今回のコラムでは、木材の表裏を見分ける方法や特徴、使い方をお伝えします。
ぜひDIYや家具選びの参考にしてください。

木表と木裏の見た目の違いと見分け方

並べられたブラウン色の板材:北欧の森

木材の表面を「木表(きおもて)」、裏面を「木裏(きうら)」といい、外側(樹皮)に近いほうが木表、中心(髄)に近いほうが木裏です。
表裏を見分けるときには、木材の断面(木口)を確認します。
年輪のカーブの山側になっているほうが木表、谷側にあるのが木裏です。

木の扱いに慣れている大工さんなら、板目の年輪の重なり方を見ただけで表裏がわかるようですが、初心者には至難の業。初めは木口から見分けると良いでしょう。
なお、表と裏ができるのは、丸太を上部分から下部分へとカットする板目のみです。
バウムクーヘンのように放射線状にカットする柾目には、表裏はありません。

【コラム】柾目と板目の違いは?それぞれのメリットと注意点から比較してみよう

木表と木裏の特徴

積み重ねられた板目の木材・断面:北欧の森

冒頭でも説明したように、木の外側と中心のどちらに近いのかによって、木の肌ざわりや見た目、反り方などの特徴が異なります。
それぞれの特徴を見てみましょう。

木表の特徴

木の外側に近く、年輪が山形になっている木表は、さらさらとした肌ざわりと美しい木目が特徴です。
見た目の美しさはもちろん、ささくれの立ちにくさから、直接肌が触れる部分やものは、木表が表面になるように施工されます。

しかし、木表の収縮率は木裏よりも2倍ほど高いので、水分が乾燥してしまったときに凹むような形に反ってしまう点に注意しなくてはなりません。
反りを出にくくする方法は、次の通りです。

  • できるだけ早く加工・施工する
  • 表面にニスやワックスを塗る
  • 板材の裏を補強する

木材は時間が経つと乾燥して反ってしまうので、購入してからできるだけ早く加工または施工するのが反りを防ぐポイントです。
すぐに作業ができない場合は、木材の上に重しを置いておくと反りづらくなります。

また、表面に樹脂系のニスやワックスを塗るのもおすすめ。
塗膜を作ることで湿度の影響を受けにくくなり、反りやゆがみが起こりづらくなります。

家具や飾り棚を作るために木材を使うのなら、反らないように裏側をしっかり固定するのも効果的です。とくに飾り棚ならば、固定金具を木口の幅いっぱいまで付けることで、加工後の反りを防げます。

【コラム】板材に反りやゆがみが出る理由は?対処法と対策もチェック

木裏の特徴

年輪の外側になっている木表は、木の風合いを感じられる木目のダイナミックさが特徴です。強度があり安定性にも優れています。

しかし、表面がざらざらとしていてささくれが立ちやすく、内装材には不向き。とくに針葉樹は木目の境目が割けやすいので、基本的に肌が触れる部分にはあまり使われません。

木表と木裏の使い方

壁と床、窓さっしに無垢材が使われた別荘の部屋:北欧の森

木表と木裏のそれぞれの特徴がわかりましたが、具体的にどのような場所、ものに使われているのでしょうか。

木表が使われるもの

木表が使われるのは、肌ざわりの良さを活かせるフローリング、壁、家具、などの内装材全般です。落ち着きのある美しい見た目をしているので、ナチュラル、モダン、エレガントまで、どのようなテイストの部屋にも合わせられます。

また、壁や家具のように木材を立てて使うときには、表裏だけではなく、木の向きも重要です。上側が末口(木の先端部分)、下側が元口(木の根元に近い太い部分)になるように施工します。

【コラム】家を建てるときやDIYで役に立つ!木材・建築用語集

木裏が使われるもの

木裏が使われるのは、耐久性が求められる建物の構造部分です。
収縮時に山形に反る特徴を活かして、雨水が溜まりやすいウッドデッキやフェンスに採用されることもあります。

また、広葉樹で一枚板のテーブルを作るときにも、木目が際立つ木裏が好まれます。
山形に反る性質と、乾燥時に凹型に反る性質によって反りが相殺され、板の安定性を保てるからです。

余談ではありますが、これらの性質は能舞台でも活かされています。
水はけの良さやささくれによる滑り止め効果、役者が足踏みをしたときの音の響きやすさなどから、昔から舞台には木裏が使われていました。

まとめ

ボヤけた緑の背景にダークウッド色のウッドデッキが並ぶ:北欧の森

木材は木の外側と内側、どちらが近いのかによって特徴が異なるので、DIYをするときには表裏を意識して施工・加工することが大切です。
とくに肌が触れる部分に木裏を使ってしまうと、ささくれでケガをしてしまう心配があるので、表裏を必ず確認しましょう。

今回お伝えした見分け方や特徴を、ぜひDIYや家具選びに活かしてくださいね。