家を建てるときやDIYで役に立つ!木材・建築用語集
木材の知識2023.9.20
私たちは公園や山、庭などに生えている木は「木」、伐採された木を「木材」といいますよね。けれど建築業界では木材の加工方法や状態によって、名称が異なります。
たとえばノコギリでカットした面は「木口」、木材の端の方は「木端」です。
用語を知っておけば、家を建てるときやDIYをするとき、家具を選ぶときなどに役立ちます。
今回は木に関する建築用語を解説していきますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
木の部位を表す用語

まずは木の部位を表す用語を見ていきましょう。
根・幹・樹冠(じゅかん)
木は「根」「幹」「樹冠(じゅかん)」の3つの部位から成り立っています。
根は文字通り土の下に埋まっている根元の部分で、幹は木を支える本体の部分です。あまり聞きなれない樹冠は、木の上部にある葉や枝などの部分を指します。
枝・節
木の本体をズームアップしてみると、木の幹から「枝」が生えています。
そして木の幹の中を見てみると、成長過程で幹に取り込まれてしまった「節」と呼ばれる枝の一部分があります。加工段階で木をカットすると、節はこげ茶色の丸い模様として現れます。
フローリングや家具での「節あり」「節なし」は、この模様があるかないかの違いです。
樹皮・木部・髄(ずい)
幹の1番外側部分、木の表面は「樹皮」、樹皮より内側の部分は「木部」と呼ばれます。
木部の中心には「髄」があり、髄を中心にして同心円状に木部を拡大していきます。このときにできる模様が「年輪」です。
髄は柔らかく割れやすいので、フローリングや家具などの強度が求められる部分には木部が使われます。
家を建てるときやDIYをするときに知っておきたい用語

ここからは、家を建てるときやDIYをするときに役立つ用語を解説していきます。
KD材・AD材
KD(キルンドライ)材は人工乾燥した木材で、AD(エアドライ)材は天然乾燥させた木材のことです。乾燥方法の違いで、呼び方が異なります。
KD材は乾燥機を使って、2週間〜1か月ほど乾燥させた木材です。AD材は半年〜1年の時間をかけて、木材を自然乾燥させます。
数十年前まではAD材が主流でしたが、最近ではKD材が主流です。
グリーン材
乾燥をさせていない木材を「グリーン材(G材)」といいます。
グリーン材は乾燥に費用がかからない分、KD材やAD材よりも安価に手に入ることがメリットです。ただし経年とともに歪みや割れが生じる可能性があるため、構造材にはできません。
芯去り材(しんさりざい)・芯持ち材
木材の芯の部分(年輪の中心部分)を外して加工した木材を「芯去り材(しんさりざい)」、芯がある木材を「芯持ち材」と呼びます。
芯去り材は柔らかい芯の部分を避けるため強度はありますが、とても高価で貴重です。そのため、住宅用に使われる木材のほとんどが芯持ち材です。
手刻み(てきざみ)
大工がノコギリやカンナなどの道具を使って木材を加工することを、「手刻み(てきざみ)」といいます。木材同士が隙間なく繋がるように削ったり掘ったりしながら、丁寧に一つひとつ加工する伝統的な工法です。
プレカット
木材を現場ではなく、工場であらかじめ加工することを「プレカット」といいます。
木材のカットから加工までをすべて機械が行うため、人件費の削減や工期短縮に有効です。最近では住宅会社の多くが、プレカットを取り入れています。
木口(こぐち、きぐち)
木材をカットした切断面を「木口(こぐち、きぐち)」といいます。
切断面はザラザラしていてそのまま使用できないので、研磨してきれいにしてから使うのが一般的。切断面をきれいにした木口は、「木口材」や「木口化粧材」と呼ばれます。
根太(ねだ)
「根太(ねだ)」は、住宅の床を支える部材のひとつです。
フローリングと床板の下に設置され、強度のあるヒノキ・ヒバ・スギなどが用いられます。
大引き(おおびき)
「大引き(おおびき)」は、住宅の床下にある構造材のひとつです。
根太(ねだ)を支えるために架け渡される重要な部分なので、強度のあるヒノキ・ヒバ・クリ・ケヤキなどが用いられます。
貫(ぬき)、半貫(はんぬき)
「貫(ぬき)」と「半貫(はんぬき)」は、壁を支える構造材を補強するために用いられる材木です。
貫と半貫の厚みはどちらも1.5cmですが、幅は貫が9cm、半貫は4.5cmで、地域によって幅が若干異なります。
貫や半貫には強度のあるスギが用いられることがほとんどですが、ヒノキ・アカマツなどが使われることも。最近では、耐久性のある合成樹脂を使う住宅会社も増えています。
用語を知っていれば、打ち合わせや材料選びに役立つ!
今回のコラムでは、木にまつわる建築用語を解説しました。
コラムで紹介したのはほんの一部で、まだまだたくさんの用語があります。
今回知った木の部位や木材の用語を、木材選びや住宅の素材選びの際に、ぜひ役立たせてくださいね。
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